「早く、片桐さん!!」
「わぁ、動きやすいですねえ。走っても全然大丈夫ですよ」
「御堂さんはいつもジムに通ってますから...」

一方心配なのが片桐の身体の御堂だった。


「ちょっと、もう少し早く走れないんですか」
「何故...私が...本当に使えない体だ...」
「片桐課長の顔でそんなに睨まないでくださいよ」
片桐の眉間にものすごい皺がよっている。
「女性社員も言っていたでしょう。今日の片桐さんこわーいって」
「五月蝿い、余計なお世話だ」


「片桐さん、もうすぐですよ」
「うん」

「御堂部長、もう少しですから」
「わ、分かっている」

落ち合う約束になっている場所へ急ぐ四人。
「ッ!!」
曲がり角で、偶然遭遇、そのまま衝突。


「大丈夫か? 克哉」
「うん」
克哉は本多に支えられてなんとか倒れこむことを避けられたが、
横で御堂と片桐が伸びていた。
「あ、イタタタ...」
「...ぅ...」
「みどっ...、あれ?」
「...あ、戻った、戻りましたよ!! 佐伯君!!」
「...本当だ」


結局案外あっさり解決してしまった今回の事件。
解決するのはあっさりだったが、
その後いろいろと問題が残された。

「克哉」
「はい?」
「私が笑うのを見て照れていたな」
「あ...いや、その...」
「君は私の中身ではなく外見が好きなのか?」
「そうじゃないです、御堂さん、笑ってるところも素敵だなって単純に思っただけで...」

「しかもぶつかった時...本多に抱きしめられていた」
「アレは完全に事故じゃないですか!」



「オレは...ずっと孝典さんのこと...考えてました..」
恥ずかしそうに俯いているその姿がいとおしくて。

「君は本当に...」
「? ...っん」
軽いキスをする。
「可愛いな」
「ぅ...」

一日会えなかったその分を取り戻すように、二人は身体を重ねた。



*おまけ*

「もし私が戻らなかったらどうしていた?」
「え、オレはどんな姿でも孝典さんが好き...だから」

そう言って克哉は不図思う。
「孝典さんは、もしオレと本多が入れ替わっちゃったらどうしますか?」


沈黙。

「えっ、な、何で沈黙するんですか!?」

「そんなことはあり得ない!! ...私がそうならないように防ぐまでだ」
「(うわ...孝典さん...、本多の体も中身もだいっきらいなんだ...)」


*おしまい*






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