御堂の誕生日が丁度週末と言う事と、
10月1日は都民の日ということもあって休みなので、
二泊三日の京都旅行を企画した。
新幹線も予約を済ませて、
28日にその計画を御堂に打ち明けた。
「京都旅行?」
「あ、はい...。誕生日プレゼントに旅行って思って...」
京都は嫌でしたか? と御堂の顔色を頻繁に伺う克哉に、
御堂は口元を緩ませて微笑む。
「京都か。前に行った時は仕事だったから観光で行くのは高校以来だ」
「高校?」
御堂の言葉から、
急に御堂の高校時代を想像してみたりする。
学ランの御堂?
ブレザーの御堂?
生徒会長をやっていたりして、と妄想が広がるが、
そう考えてみると、克哉が知っているのは最近の御堂の一部だけで、
昔の御堂など微塵も知らないことに気付かされる。
御堂が高校生で17歳のときを考えると、克哉は10歳だったわけで、
イジメを受けはじめる少し前くらいだ。
あの頃は男の人に恋するなんて思いもしなかっただろうなと笑ってしまう。
「克哉?」
「あ、すみません。...孝典さんの高校時代ってどんなだったんですか?」
「知りたいのか?」
「...だって...オレ全然孝典さんのこと知らないような気がして」
克哉の言葉に、御堂は少し驚いていたようだった。
ところが、唐突に御堂の克哉の携帯電話が鳴って、その話が再度話題になることは無かった。
「綺麗ですね!!」
新幹線からの田園風景。
金色の絨毯が広がる景色に克哉ははしゃいでいる。
本来なら御堂のための旅行なのにも関わらず、
克哉の方が興奮しているというおかしな事態に思わず御堂も
京都に行く前にバテてしまうぞと笑う。
京都についても、克哉のテンションは衰える事はなかった。
御堂は日頃ジムで鍛えているので体力的には余裕であるが、
「これが若さというものなのか」と悲しい思考に至ってしまうほどにテンションが高い。
清水寺や三年坂、高台寺に、八坂神社、更には知恩院や青蓮院などを回って、
1日目の観光を終える。
カメラを片手に御堂を撮りまくった克哉は満足そうに宿へ戻る。
精神的に御堂はくたくただ。
でも、楽しそうな克哉を見ているとそんな事も忘れてしまうようだ。
「楽しかったな」
「明日は金閣寺〜等持院〜龍安寺〜仁和寺〜妙心寺〜北野天満宮散策コースを回りましょう!!」
「そ、そんなに回るのか」
修学旅行を二泊に凝縮した感じのスケジュールに御堂は呆れた。
「孝典さんと回ると何だか昔きた京都よりずっと楽しくて...」
照れながら言う克哉のことばに、御堂の頬が染まる。
「っ...、食事の前に風呂に入るだろう?」
照れた事が克哉に知れるのが恥ずかしくて、
ぷいと顔を背けて御堂は風呂の支度を始めた。
「あ、あの...」
「何だ?」
「昨晩」
「?」
「噛んじゃって...、痕...大丈夫ですかね」
昨晩は日付変更を挟んでずっと行為をしていた。
御堂は克哉に何も考えずにキスを落とし、
克哉は相変わらずの噛み癖で御堂の肩を噛んでいた。
思い出して二人はますます赤面した。
ひとまずシャワーで済ませ、
二人は浴衣に着替えると、
懐石料理を食べて、時刻が遅くなった頃に公衆浴場に足を運んだ。
静まり返った露天風呂で、二人は特に何も話すことなくゆったりと湯船に浸かっていた。
「どんな高校時代をすごしたか、と聞いたな?」
「あ、はい」
「やはり気になるか?」
「知りたいです。仕事も私生活もよくできるから...高校生活も充実していたんじゃないですか?」
「そう思うか?」
こくりと頷くと、御堂はふう、と息を吐いてから言葉を繋げた。
「そんなことはない。人は誰でもスタートは同じだからな」
克哉はぽかんと御堂を見つめる。
「昔は人間関係でよく悩んだ。態度が気に入らないと上級生に呼び出されたりもした」
水音だけが響いては闇に吸い込まれていく空間に、
しんみりと穏やかな御堂の声が同じく闇に吸い込まれていった。
「今でも怖いんだ」
克哉に嫌われるのが。
克哉に離れていかれるのが。
「大丈夫ですよ、オレはいつまでも孝典さんが大好きです。
本当に...愛してます...」
御堂の頬にキスをした。
「...っ!!」
驚く御堂はそのまま固まってしまった。
「孝典さん、生まれてきてくれて、ありがとうございますっ...」
御堂は克哉を抱きしめた。
部屋に戻って、御堂は克哉を再度抱きしめると、
首筋にキスを落として、そのまま浴衣の上から胸の突起を弄る。
「ふっ...」
そして帯を解き、その薄い布を掃う。
既に勃起しているそれを下着の上からなで上げると、
克哉は我慢できず甘く色っぽい喘ぎ声を出した。
「ぅあっ...、ん!!」
下着を脱がされ、身体を押さえつけられて、
両足を大きく割り広げられた。
「ぁ...」
羞恥に満ちた声が克哉から漏れる。
「挿れるぞ...」
ゆっくりとナカに入ってくる御堂のモノ。
克哉は腰を捩って強請った。
「っ...あ、ぁぁぁあっ!! た、かの、りさっ...、孝典さん!!」
最後まで入った御堂のソレが、激しく抽迭する。
「孝典さんっ、ぁああっ、はっ...、孝典さッ...!!」
「...克哉...」
感じるところをピンポイントで攻められて、
克哉は絶え間なく喘ぎ声を発する。
「孝典さん!! あぅッ、もうっ...イくぅッ!!」
「イけっ...、くっ」
内奥に熱い奔流が押し寄せる。
克哉がイったと同時に、その締め付けによって、御堂がナカに精液を放ったのだ。
それから何度も二人は身体を重ねた。
「...ぅぅぅ...」
布団の中でうめき声がした。
「す、すまない」
時計は十一時を回っていた。
克哉は布団から出られないでいた。
腰が痛くて動けないのだ。
「こんな...」
まさか10回近くイってしまうなんて。
「金閣寺が...龍安寺が...」
「何故そんなに観光がしたいんだ?」
「...だって、オレ...孝典さんと修学旅行...」
したかった、と言われて再度御堂は赤面した。
「まったく...君は」
君の発想力には完敗だ、と御堂は苦笑する。
「そんなこと、また出来るだろう?」
克哉の頭を撫でてやる。
「私のことを知らないような気がすると言ったが、
これから時間をかけていけばいいだろう?
過去が私の全てじゃない。そうだろう?」
「...ぁ」
克哉の表情が明るくなった。
「孝典さん、大好きですっ!!」
「...、」
照れる御堂にお構いなしに克哉は彼の手を握り締めた。
孝典さん、生まれてきてくれて本当に、ありがとう
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後書きという名の懺悔室
京都私行ったコトありませ〜ん(爆。
いやー、明後日行ってきます(ぇ。
行ったコトないと言ったら友達が慰めて旅行を企画してくれました。
やはり誰でも「デキる人」ってのは妬まれますね。
克哉も、御堂さんも。
何か再度わけのわからん話になってますが、
精神的には完全に克哉>御堂ってのを極力目指しました。
何か克哉が御堂を溺愛しすぎてますか??
「今回はスピードも遅い、質も悪いで...
私の誕生日だということを自覚しているのか? 君は」
え、あ、御堂さん。...自覚してます、当然です。
「大体君がテストで赤点を取るのが悪いんだろう」
あー、すんません。
「大学生にもなって、たるんでいるんだ」
おっしゃるとおりです。
「謝れ!!」
すみません、読者の皆様、
こんな小説読むのにお時間を取らせてしまいまして。
「それから私にだ!!」
すみません、御堂さん。お誕生日だというのにまともな小説が書けなくて。
「全く君は...」
だから私はギャグばっかupしてるけど、
実はシリアスもシリアス、死ねた専門なんだって!!
「『紅い花』というわけか。私の克哉をあんな...佐伯!!」
「また来たのか、和泉。」
うわぁ、眼鏡克哉!!
「今回はどうする? ..こんなものを持ってきてはみたが」
釘バットきたー!!
逃げまする。
読んでいただき、本当にありがとうございました。
毎度毎度成長のしない管理人ですみませんでした
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